はじめて作った子供の家具は、この木馬でした。長女、そして妹、弟とお下りして、長い間よく使ってくれたと思います。この木馬は、大きく揺すると前足のところが床を掴んで、すこしずつ前に進んで行きます。それがこどもたちには面白いらしく、よくそうやって遊んでいました。
材質はこどものからだに触れてもやさしく安全なように、軽くて、柔らかな栗にしました。
デザイン/三谷龍二、製作/野村コージ
Profile
三谷龍二
木工デザイナー。
1981年、長野県松本市に工房ペルソナスタジオを開設。陶磁器のような普段使いの器を提案、全国で個展を多数開催。また、「クラフトフェアまつもと」「工芸の五月」の発足当初から運営に携わり、工芸と暮らしを結びつける活動を続ける。
2011年3月11日に自身の作品を常設展示するほか、他の作家との個展や、イベントを開催するギャラリースペース「10センチ」を松本にオープン。2015年9月にはパリで「佇まい」展を開催。
「木の匙」(新潮社)、「日々の道具帖」(講談社)など多数の著書がある。