中村好文さんデザインのもの(4 items)
中村好文
1948年千葉県生まれ。建築家。
1972年、武蔵野美術大学建築学科卒業。宍道建築設計事務所勤務後、都立品川職業訓練校木工科で学ぶ。
吉村順三設計事務所を経て、81年、設計事務所レミングハウスを設立。87年『三谷さんの家』で第一回吉岡賞受賞。93年『一連の住宅作品』で第18回吉田五十八賞特別賞を受賞。 主な著書に『住宅巡礼』、『意中の建築/上下』(新潮社)、『パン屋の手紙』(筑摩書房)、『暮らしを旅する』(KKベストセラーズ)、『百戦錬磨の台所』(学芸出版)などがある。
「nounours books」
・わたしのパートナー 前編 / 後編
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中村好文 うさぎ椅子「LAPIN(ラパン)」
47,080円(42,800円+税)~/脚
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商品説明
中村好文さんの事務所 レミングハウスに伺った時に この椅子がちょこんと置いてありました。
大磯のご自宅のデッキにも、このうさぎの椅子が置かれていて、海をぼんやり眺めています。
時には 好文さんの口笛や鼻歌を、耳をそばだてて聞いているみたいな、そんなかわいい椅子です。
「LAPINの誕生」
今から30年以上前の日曜日のこと。
自転車操業の設計事務所の所長に休日はありませんから、いつもなら朝食を済ませ、手早く身支度して慌ただしく事務所に出かけるところですが、その日は珍しくそれほど切羽詰まった仕事はなく「久しぶりに休むことにしようかなぁ‥‥休んじゃおう!」という気持ちになりました。
そこまでは良かったのですが、では、その休日をどのように有意義に過ごしたらよいか、さしあたって思いつくことがありません。
テニスをするとか、釣りに行くとか、鉄道模型を組み立てるとか、自転車でツーリングに出かけるとか、映画を観に行くとか、ガーデニングに精を出すとか‥‥人並みに趣味らしい趣味があれば、休日らしい休日が過ごせるのですが、仕事人間(ワーカホリック)の悲しさで手持ちの趣味がないのです。
しばし呆然と天井を睨んでいるうちに、ふと「そうだ、子供椅子をひとつデザインしてみよう」というアイデアが閃きました。
なんのことはない「休日」のつもりが、家具デザインの「仕事」に舞い戻ってしまったのです。
結局「仕事が趣味だったんだ」とあらためて気づいたわけですが、それはそれとして、さっそくアイデアスケッチを描きはじめました。
そしてスケッチを繰り返すうちに、スケッチの中からウサギをモチーフにした子供椅子が浮かび上がってきました。
次にフリーハンドで原寸図面(実際のサイズの図面)を描き、さらに手近にあったダンボール箱を壊し、そのダンボールを使って原寸で模型を作り、それを切ったり貼ったり少しずつ手直ししてダンボール製の試作第1号が完成しました。
そして、描き立てホヤホヤの手描き図面と出来たてのホヤホヤの模型を長野の家具職人に宅急便で発送して休日の「趣味の時間」はつつがなく終了しました。
それから先は家具職人との阿吽の呼吸の協働作業でした。
このときは本番の試作のほうも快調に進み、苦労らしい苦労をしないでウサギを連想させる愛らしい子供椅子が誕生しました。
ぼくはこの椅子を「LAPIN」と名付けましたが(LAPIN/ラパンはフランス語でウサギのことです)、このLAPIN は子供たちに絶大な人気があり、これまでに1000脚以上製作されました。
つまり、1000人以上の子供たちに愛されてきたことになります。
ところで。このLAPIN を一脚、一脚、精魂込めて製作してくれているのは奥田忠彦さんという家具職人です。
数年前、札幌の郊外にあった奥田さんの工房で、奥田さんが LAPIN を製作する現場に2日間にわたって立ち会ったことがありました。
座板の材料選びから始まって、加工、組み立て、塗装に至るまでの手際の良い手仕事から一脚の子供椅子が生まれる様子を目のあたりにしたことで、この椅子をいっそう愛らしく感じるようになったのです。
一脚の椅子がどのように作られるのか多くの人に知っていただきたく、このたび、CHECK&STRIPEでLAPINをお買い上げの方に LAPIN 製作の一部始終を記録したDVDをお贈りいたします。
お手元のLAPINと見くらべながら、どうぞじっくりご覧ください。
中村好文(建築家)
工房より直接発送のため、梱包配送料込みの価格です。ヤマト運輸でお送りします。
(白 商品代39,000円+税、黒 商品代43,000円+税と梱包配送料全国一律3,800円+税の価格です)
他の商品と一緒にご注文の場合、こちらの商品代金を除いての送料計算となります。
(5,000円+税以上お買い上げの場合、全国一律送料無料です) -
ご注意
・工房より直接手配となりますため、お客様のお名前、ご住所、お電話番号などを工房にお伝えさせていただきます。
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中村好文 正座椅子 Za
10,780円(9,800円+税)/台
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商品説明
『Za』 について
高校時代の3年間、ぼくは陸上競技部に属していました。
種目は「棒高跳び」で、来る日も来る日も、放課後は長さ4メートルのポールを捧げて、走っては跳び、走っては跳びしていました。その当時、試合に出れば棒高跳びの着地ピットにウレタンフォームの切れ端が小山のように積まれていて、選手が4メートル前後の高さから落ちても脚や腰を痛めないようになっていましたが、母校のグラウンドにはもちろんそんなシャレたなものはなく、ピットはただの「砂場」でした。練習の手始めは少しでも着地のショックを軽くするために、まずこの砂場を「耕して」ふかふかにしておくことでした。走っては跳び、走っては跳び、と書きましたが、言い方をかえると、跳んでは落ち、跳んでは落ちということです。ウレタンのピットなら背中から落ちるようにして脚と腰の負担を減らすことができるのですが、なにしろ砂場ですからそうもいきません。着地すると同時に体を丸めて背後にコロンと転がる一種の「受け身」をとって脚部への負担を減らすようにしていました。
そして時は流れて幾年月、50代に差し掛かるころからぼくは膝に疾患が出てきてだんだん正座したり、あぐらをかいたりしにくくなってきました。どうやら高校時代の「砂場着地」のツケが回ってきたらしいのです。そして、ついには蕎麦屋に入っても小上がりに案内されたりすると、尻込みするようになってしまいました。
いちばん困るのは韓国旅行の折の食事で、韓国料理はほとんど床に直接座って食べる床座式ですから、韓流の食事が好きなぼくには、これが辛いのです。韓国の田舎を旅していたときなど自宅の一部を食堂にしているおばさん(アジュマ)が風呂場で使っているプラスチックの小椅子を持ってきて座らせてくれたこともありました。
…という悩みを抱えていたのですが、あるとき茶道の稽古に通っている妻が「お座敷でお茶の稽古をするのは楽しいけど、足が痺れて辛くてねぇ」と呟きました。
この瞬間、正座が辛いのはぼくだけではなかったことに気づいたぼくは、自分に果たされたミッションをはっきり悟ったのです。
おそらく「正座苦痛人口」は日本の人口の半分、もしくは3分の2ぐらいになるのではないかと推察されます。そして、この人たちの痺れの苦痛を少しでも緩和し、正座から立ち上がりやすくするためにも、まずは、ぼくが「立ち上がらなければ」と思い、さっそく正座補助具のデザインに着手したのでした。
そして、刻苦精励の結果、めでたし、めでたし、ようやく完成したのが、成形合板で作ったこの小さなスツールです。Zの文字が正座しつつちょっと腰を浮かしたように見えることから『Za』(座)と名付けました。
さあ、みなさん、お尻の下にそっと『Za』を忍ばせて、背筋を伸ばし、涼しい顔で正座しようではありませんか。
中村好文(建築家)
工房より直接発送のため、梱包配送料込みの価格です。ヤマト運輸でお送りします。
正座椅子 Za
商品代8,000円+税と送料全国一律1,800円+税の合計価格です。
他の商品と一緒にご注文の場合、こちらの商品代金を除いての送料計算となります。
(5,000円+税以上お買い上げの場合、全国一律送料無料です)
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お裁縫箱 MEME(メメ)
63,250円(57,500円+税)/個
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商品説明
建築家の中村好文さんがデザインし、木工作家の青柳勲さんが製作したお裁縫箱です。
以下、中村好文さんのメッセージです。
この裁縫箱のオリジナル版は、中村が10年ほど前、テキスタイルデザイナーの真木千秋さんのためにデザインし、木工家の奥田忠彦さんが数量限定で製作したものですが、CHECK&STRIPEのたってのご要望により、そのスタンダード版のMEMEを製作し、CHECK&STRIPEの商品として販売することになりました。「MEME」というのは、フランス語で「おばあちゃん」という意味です。この愛称は、この裁縫箱を、祖母から母へ、母から娘へと大切に受け継いでいってほしいという願いから名付けました。
さて、ここからはお願いです。
MEMEは合板ではなく、ブラックウォルナットの無垢材で作られています。無垢材であること、繊細な造りであること、また、木肌の手触りを感じていただくために自然塗料で仕上げているため、温度や湿度の変化に敏感です。ストーブの近くや、陽の当たる場所、湿気の多いところに置いておきますと蓋がスライドしにくくなったりします。また、季節によっても蓋が少し固く感じられることがあるかもしれませんので、ご了承ください。
材料は充分に吟味してありますが、自然素材なので、エアコンの温風などで急激に乾燥させたりすると、ヒビ割れが生じることがありますので、ご注意下さい。汚れは固く絞った布で拭いた後、渇いた布で湿気を拭き取って下さい。
MEMEが皆さまの裁縫仕事になくてはならない相棒となり、愛用されて末永く使い継がれますよう、心よりお祈りいたします。
中村好文 青柳勲
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